お兄ちゃん、すきだよ。
すると、後ろのほうから別の店員さんがやってきた。
「なぁに、怜。知り合い?」
怜くんととても親しげなその女の人は、私たちのほうを覗き込む。
私はその店員さんを見て、はっとした。
この女の人、なんか見覚えが…。
そうだ!
確か文化祭の買い出しで寄ったカフェにいた、怜くんの大学の友達の……。
「あぁ!怜の妹ちゃん!だよね?」
私のことを覚えていたようで、その店員さんは怜くんの肩をたたいた。
「彼女は大学の友達で、小波っていうんだ。俺をここに紹介してくれたやつ。」
「こんにちは…春乃です。」
私が軽く会釈をすると、小波さんなにこっと笑ってくれた。