お兄ちゃん、すきだよ。
怜くんを紹介した友達って、小波さんだったんだ。
友達っていうから、私てっきり、男の人かと…。
「じゃ、出来上がるまでしばらく待っててね。」
「あぁん、待ってよ怜〜。」
キッチンへ戻る怜くんと、怜くんを追い掛けていく小波さん。
仲の良いふたりを見ていたら、なんだか心がチクンと痛んだ。
「ねぇ春乃、綺麗な女の人だね。」
優が小波さんをながめてつぶやく。
本当にその通りだ。
華奢で可愛くて、女の私でさえ見とれてしまうような女の人。
怜くんの大学には、そんな女の人がたくさんいるのだろうか。
私はつい、ため息をもらした。