お兄ちゃん、すきだよ。
「お待たせいたしました。」
怜くんが、パンケーキと紅茶を運んできた。
ほかほかと温かく、甘い匂いがするパンケーキ。
「わ〜い!いただきます!」
待ってましたという感じに、優がパクパクと食べ始める。
「あれ?春乃、食べないの?」
「えっ?あぁ、いただきま〜す…。」
甘い甘い、パンケーキ。
キャラメルの匂いが口の中いっぱいに広がる。
私の大好きな、キャラメルの匂い。
「春乃、おいしい?」
にっこりと微笑む怜くん。
おいしい。
おいしいよ。
だけど私は不安で胸がいっぱいになり、パンケーキの味がよくわからなくなってしまった。