お兄ちゃん、すきだよ。
とまどい
怜くんのバイト先に行ってからというもの、私は怜くんのあの一言が忘れられずにいた。
怜くんがクリスマスイブにデートをする大切な人。
顔も知らないはずなのに、怜くんと楽しそうにデートをする女の人を想像しては、落ち込む。
どんなに仲の良い兄妹と言っても、まだまだ知らないところはたくさんあるんだなぁ。
私のため息は、寒さで白く濁った。
クリスマスムードの勢いが日に日に増していく街並み。
周りを見渡せば、赤と緑の飾りつけ。
夜になるとキラキラ光る電飾。
少し前まではとても綺麗だと感じていたのに、今となっては切ないだけだ。