お兄ちゃん、すきだよ。
きっとこんなに寂しく感じるのは、怜くんをクリスマスイブに独り占めできるって、一瞬でも勘違いしてしまったせい。
その勘違いが恥ずかしくて、余計に虚しさが増すんだ。
いつも通りの日常に戻るだけ。
そう考えれば、寂しくなんてない。
半ば自分に言い聞かせるように、私は考えていた。
頬杖をついて、空を見上げる授業中。
ぼーっとしすぎて先生に注意されたりもしたが、今の私には先生の声は響かない。
心が空っぽになるって、こんな感じなのかな。
ちょっと、違うかな。
だけどやっぱり、空っぽな時間は過ぎていく。