お兄ちゃん、すきだよ。



きっとこんなに寂しく感じるのは、怜くんをクリスマスイブに独り占めできるって、一瞬でも勘違いしてしまったせい。



その勘違いが恥ずかしくて、余計に虚しさが増すんだ。




いつも通りの日常に戻るだけ。


そう考えれば、寂しくなんてない。





半ば自分に言い聞かせるように、私は考えていた。




頬杖をついて、空を見上げる授業中。



ぼーっとしすぎて先生に注意されたりもしたが、今の私には先生の声は響かない。



心が空っぽになるって、こんな感じなのかな。


ちょっと、違うかな。





だけどやっぱり、空っぽな時間は過ぎていく。




< 154 / 195 >

この作品をシェア

pagetop