お兄ちゃん、すきだよ。
「春乃〜!ちょっとちょっと〜!」
ぼーっとしすぎて休み時間が終わったのにも気が付かなかった。
優に肩を揺さ振られ、はっと我に返る。
「ちょっと春乃、ぼーっとしすぎじゃない?何かあったの?」
「あぁ…いや別に!ただボケッとしてただけだよ。ごめんごめん。」
すぐ優に見透かされてしまう私。
しかし私は怜くんのことは相談しなかった。
しなかった、というよりは、何と言ったらいいかわからなかったのだ。
「そう、それならいいけど…。」
心配そうな優の顔を見て、少し申し訳なくなった。
ごめんね、優。
気持ちの整理が出来たら、ちゃんと話すから。
自分の中で、このちっぽけなもやもやを理解出来たら…。