お兄ちゃん、すきだよ。
怜くんの言っていたあの言葉。
クリスマスイブは大切な人とのデートがある。
私と過ごす約束をしているし、怜くんがどちらかをすっぽかすとも思えない。
一体、いつ誰とデートをするんだろう。
昼間は確か、学校とバイトがあると言っていたし…。
謎は深まるばかりだ。
せっかくのクリスマスシーズン。
本当は私だってわくわくしたいのに、ため息が出るばかりだ。
今日もたくさんため息をついたなぁ。
そんなことを考え、午後の授業もまたぼーっと過ごしていた。
鳴り響くチャイムが遠く聞こえる。
あっという間に、下校時間だ。