お兄ちゃん、すきだよ。
新しい家から高校までの道のりも、だいぶ慣れてきた。
途中にある長い坂道には、いつも手入れのされた花壇が並んでいて、私のお気に入りの通学コースになった。
名字が変わったこと、やはり最初は友達にからかわれた。
新しいお兄ちゃんができたことも、みんなの話題になった。
「ねぇねぇ、春乃!新しいお兄ちゃんかっこいいって本当!?」
そう嬉しそうに聞いてくるのは親友の優。
「うーん、かっこいいってよりは綺麗な顔してるよ。」
「マジで!いいなぁ〜!ちょっと颯太ってば聞いた!?」