お兄ちゃん、すきだよ。
嘘でしょ…。
小波さんが恋のライバルだと判明した矢先、今度はライバルを応援するはめになったのだ。
信じられない。
でもあまりに急な出来事に、私は拒むことが出来なかった。
目の前のアイスコーヒーを見つめる。
苦い苦い、アイスコーヒーと引き替えに、恋の協力の約束…。
そんなのって…。
「ありえないよ〜!」
カフェの店内だというのを忘れ、大きな声を出してしまった。
こちらを振り向く、他のお客さん。
「あ…、すみません。」
みんなの視線が恥ずかしすぎて、私はカフェを飛び出した。
家に帰る途中、おもむろに携帯電話を取り出し、優にメールを打つ。
題名は、
あり得ない!あり得ない!あり得ない!
にした。