お兄ちゃん、すきだよ。



すぐさま優からの返信が届く。



小波さんと何かあったってことは、すぐにわかったらしく、珍しく興奮気味の私を心配していた。




優のメールで少し落ち着きを取り戻した私は、明日優と話す約束をして家へ向かった。






帰り道にある坂道を下る。



下りながら、たくさんの思いが私の心をかき乱した。



小波さんがライバルだなんて不安だな…

強引に妹を味方につけるなんてずるい…

こんなに必死になるほど、好きなんだ…



だけど、一番大きな思いはこれだ。



私も妹じゃなかったら、素直に好きって言えるのに…。





悩んだって仕方がない。


そんなことはわかっている。



だけど、やっぱり少しは悲しくなってしまうのだ。




その日は下を向いて、とぼとぼと家に帰って行った。



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