お兄ちゃん、すきだよ。
うじうじ悩むなんて、みっともない!
私は気合いを入れて、出掛ける支度をした。
1階に降りていくまでの階段は、ひんやりと寒い。
私は体を屈めながら、小走りでかけ降りた。
階段を降りて、目の前にある玄関を見ると、そこには怜くんの姿。
防寒をしまくって、まん丸になったその格好は、少し笑えてしまった。
「怜くん!おはよう。お出かけ?」
私の声に反応し、振り返った怜くんは、靴ひもを結びながら眉をひそめていた。
「春乃…。何か顔がにやついてるけど…防寒しすぎって思ってるんだろ!」
「いやいや、そんなことないよ!今日は寒いし、怜くん暖かそうでなにより……ふふっ。」
堪えきれず、こぼれる笑い。
それに過敏に反応して、怜くんは照れながら怒った。