お兄ちゃん、すきだよ。
「ねぇ、春乃!どっちがいいかなぁ!?」
「えっ、わたし!?んー…と。」
正直どちらも格好いい。
きっとどっちを選んでも颯太は気に入るだろうし…。
「ねぇねぇ!春乃〜!どっちかなぁ!?」
「えー!?じゃぁ…あ!こっち!」
私がとっさに選んだのは、黒いほうの財布だった。
なんとなく。ただなんとなく選んでしまった。
「ほ、ほら!こっちなら黒いから汚れないし…チェーンあるから無くさないし!」
「そっか…そうだよね!こっちに決めた!ありがとう、春乃。」
苦し紛れの言い訳に納得した優は、そのままレジへ向かった。
私が決めちゃって良かったのかな?
まぁ、優も納得してるし、いいか。
罪悪感が残ったが、無事に優もプレゼントを購入することが出来た。