お兄ちゃん、すきだよ。


優と別れて、地元の駅から家へと向かう。


日が落ちて外の風はますます冷たくなっていた。



いよいよ、明日は24日。

怜くんとふたりきりのクリスマスイブ。



いいプレゼントも買えた。

きっと楽しい日になるよね。




白い息を吐きながら、軽やかな足取りで帰路についた。





家に帰ると、みんな揃って夕食の準備をしていた。



明日は家族全員で過ごせないため、家族だけで1日早いクリスマスパーティーを開くという。




「春乃!もうご飯できるから手を洗ってらっしゃい!」


「はぁ〜い!」




キッチンから漂ってくる美味しそうな匂いに鼻をピクピクと動かす。


サラダを盛り付けている怜くんと目が合って、軽く笑われてしまった。





豪華な料理と、楽しいおしゃべり。

こんなに賑やかなクリスマスパーティーは久しぶりだった。

まるで、夏彦兄ちゃんがいたあの日のよう。




笑いが絶えないままに、望月家のクリスマスは一足早く幕を閉じた。





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