お兄ちゃん、すきだよ。
夜になると、お母さんとおじさんが仕事から帰ってきた。
私と怜くんは、用意しておいた晩ご飯でふたりを出迎える。
食事中、お母さんたちは「怜くん」「春乃」と呼び合う私たちを見て、驚いていた。
けれど、ふたりが仲良くなってくれて嬉しい、そう喜んでくれた。
一緒に暮らし始めてまだ間もない私たち家族。
しかし、ゆっくりではあるけれど、着実に心の距離は狭まっている。
いつまでも、幸せな家族でいたい。
心地よい関係を、決して壊したくない。
それが私の、一番の願いだ。