お兄ちゃん、すきだよ。
ともだち
11月に入り、あの坂道の木の葉が少しずつ散り始めた。
ブレザーの下にはセーターが欠かせなくなり、冬が少しずつ近づいてきているようだ。
学校では文化祭の準備が行われ始め、みんな口には出さないものの、わくわくした気持ちが隠しきれない。
「やべーよ春乃!もうすぐ文化祭だよ!めっちゃ楽しみ!」
唯一わくわく感を隠さないやつがいる。
颯太だ。
「ねー!今年うちのクラスお化け屋敷だし!くじ引きの倍率高いのにラッキーだね!」
もう一人いた。
優だ。