お兄ちゃん、すきだよ。
夏彦兄ちゃんが亡くなってからは、お母さんと二人で暮らしている。
もともと母子家庭だったので、夏彦兄ちゃんがいなくなって少し静かになった。
だけどお母さんは私が寂しがらないようにと、いつも笑っていた。
お母さんも本当は泣きたかっただろうに。
弱音も吐かずに私を守ってくれたお母さん。
お母さんの笑顔に何度助けられただろう。
恥ずかしくて言えないけれど、とても感謝している。
そんなお母さんが、再婚をすることになった。
高校2年生の、秋のことだった。