お兄ちゃん、すきだよ。
「うん、私もう高校生なのに子供だよねぇ。」
「そんなことないよ。そうだなぁ、その男の子といると幸せな気持ちになる?」
「うーん、一緒にいるとすごく楽しいかな。」
颯太といると、すごく楽しい。
だけど優と一緒にいてもそれは一緒な気がする。
「その子に好きだって言われた時はどんな気持ちだった?」
「えっと、恥ずかしいやら嬉しいやら…。」
「じゃあ、その子に対してドキドキしたりはする?」
「ドキドキ?」
「ドキドキ…そうだなぁ、例えばこうやって…」
そのとき、すっかり気を抜いていた私のほほに
怜くんの冷たい手の平が
そっと触れた。