お兄ちゃん、すきだよ。
「!!」
一瞬にして、私の脈拍が上がった。
それは、うっかりしていたら怜くんに聞こえてしまうんじゃないかというほど。
持っている紅茶を落とさなかったのが不思議なくらい。
怜くんのひんやりとした手に、私は初めての感覚に襲われ、一言もしゃべれなくなってしまった。
「あっごめん、ついつい触れちゃった。」
怜くんの手が離れても、私の鼓動はおさまらない。
「例えば好きな人にこうやって触れられたりしたら、すごくドキドキするんじゃないかな…って、兄に触れられてもしないよね。参考にならなくてごめん!」