お兄ちゃん、すきだよ。
一足遅れて、優も2階へ上がってきた。
「春乃ごめーん!!すごい迷っちゃった!」
息を切らす優の声は、店内に響き渡る。
「春乃!なんでこんなところに…?」
ヤバイ。
早速怜くんに見つかってしまった。
「あれー怜くん?偶然だね。私は文化祭の買い出しに来たんだよ。」
見ていたのがばれたら恥ずかしいので、必死に気付かなかったフリをする。
怜くんは友達と授業の空き時間をつぶしていたらしい。
「もしかしてお兄ちゃん?」
小さな声で尋ねる優に、私はコクンとうなずいた。