お兄ちゃん、すきだよ。
「あーもうあたし無理!超怖い!!」
颯太の温もりを感じる穏やかな時間は、そう長くは続かなかった。
優の大きな声と同時に、教室の電気がつく。
「えっ…?」
私を抱く颯太を見て、優は目をまん丸にしていた。
そして、驚きのあまり後ずさりをする優。
ガシャーン!!
優の足に引っ掛かって、絵の具の入ったバケツが倒れた。
そしてそのバケツに入った液体が教室にぶちまけられ、私のカバンを少し汚した。
「わー!優ってば大丈夫!?」
「ご、ごめ…春乃…。」
「ごめん!驚いたよね!もう颯太ってばふざけて!」