お兄ちゃん、すきだよ。
優、どうしちゃったんだろう。
やっぱり私たちが驚かせちゃったのかな。
それとも、疲れがたまってしまったのかな。
1階にある事務室に向かう間も、優がまだ泣いているんじゃないか気が気でない。
事務室のおじさんは親切に、ぞうきんとバケツを貸してくれた。
ありがとうございますと一礼し、一刻も早く教室に戻ろうと私は階段を駆け上がった。
教室の前に着く。
上がった息を深呼吸で整えて、教室のドアを開けようと手を伸ばす。
しかしドアを開ける寸前で、私の手は止まった。
中からふたりの声が聞こえる。
なんだか、様子がおかしい。