お兄ちゃん、すきだよ。
「大丈夫だよ、泣くな春乃。君たちの仲は、こんなちっぽけな誤解で壊れるようなもんじゃないだろう?」
怜くんの言う通りだ。
私たちは、小学生のころからの、心の通い合った友達なんだ。
こんなことで、関係が崩れるわけがない!
「私、優と会ってくる!」
優は、私とちゃんと向き合おうとしてくれた。
だけど臆病な私は、それから逃げてしまった。
今度は、私から優に向き合わなくちゃ。
わかり合えるまで、何度も何度も話そう。
私は自転車の鍵を持って、玄関へと向かった。
優に、会いたい…!
その時だった。
ピンポーン
玄関のベルが鳴る。