お兄ちゃん、すきだよ。
玄関の扉を開けると、そこには優と、颯太が立っていた。
「いきなり悪いな。俺たち、どうしても春乃に会いたくてよ。」
颯太が重い口を割る。
その表情はとてもつらそうで、ずっと眉間にしわが寄っていた。
優は下を向いたままで、よく見ると肩が小さく震えている。
いつもふざけていて、ずっと笑いを絶やさない颯太。
いつも強気で、元気いっぱいの優。
ふたりをこんな風に追い詰めてしまったのは、逃げてばかりの私だ。
ちゃんと向き合わなきゃ。
親友だもん。
私はふたりの前へ、ゆっくり、歩きだした…。