お兄ちゃん、すきだよ。
きずな
「優、颯太、今日はごめんね。私逃げてばかりだったよ。」
声の震えをおさえながら、ふたりを真っ直ぐ見つめる。
もう逃げないと決めたから。
「颯太には、好きじゃないなんて心にもないこと言っちゃったね。あんなの嘘、颯太のことはすごく好きだよ。」
「いや、俺も悪かったんだ。こんなことになって、俺がしっかりしていれば…。」
「颯太は悪くないよ。それに、いつも好きって言ってくれて、嬉しかったんだよ。」
「春乃…。」
颯太のことは、自分の気持ちに素直になろうとたくさんたくさん考えた。
その結果を、いま、しっかり伝えなきゃ。
「でもね、颯太。颯太のことは好きだけど…私やっぱり颯太とは恋人じゃなくて親友でいたいよ。颯太の気持ちは本当に嬉しいけど…。」