お兄ちゃん、すきだよ。
「もう言わなくていい、わかってるぜ春乃。俺を傷つけたくなかったんだろ?優しい奴だな。」
優しくなんかないよ。
優しくなんかない。
颯太の真っ直ぐな気持ち、知らないふりばかりしてきた。
ごめんね、颯太。
ごめんね。
「春乃、泣くなよー!泣きたいのは、俺だって!」
颯太はいつもの笑顔で、私の肩をポンと叩いた。
颯太のほうがよっぽど優しい。
颯太と友達で、本当に良かった。
私も笑いながら、颯太の肩を叩いた。
「ねぇ春乃!本当にそれでいいの?私のせいで遠慮してたり…。」
ずっと下を向いていた優が、私の手をにぎりながら問いただす。