Devil's Night
それはオフィス街でランチタイムに弁当を売る仕事だった。
ビルとビルの谷間にパラソルを立て、折り畳み式のテーブルの上に色々な種類の折りづめ弁当を並べる。
セッティングが終わると、業者のバンは残りの弁当と他のアルバイトを乗せてどこかへ行ってしまう。そして、商品が完売する頃に迎えにくる。多分、この場所での販売許可は取っていないのだろう。
『誰かに文句を言われたら、すぐに店じまいして俺のケータイならして。場所、変えるから』
バンの運転手は、悪びれる様子もなくそう言った。