Devil's Night
 
 その日から、彼は私の前を通りすぎるときには、必ずこちらに笑顔を向けてくれるようになった。


 私はドキドキしながら、小さく会釈を返す。


 そして、彼はたまに弁当を買いに来てくれるようにもなり、そのときには、ひとことふたこと話しかけてくれた。


「暑くない?」とか「立ちっぱなしで疲れるでしょ?」とか……。
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