Devil's Night
結局、気持ちを伝える手段を見つけることができないまま、アルバイト最終日を迎えてしまった。
――せめて今日がお弁当の日でありますように。
そう祈りながら昼を待った。
やがて、正午になり、私は何度も何度もビルの玄関に目をやった。いつも一緒に出てくるメンバーは、みんな私の前を通りすぎたのに、あの人はまだ出て来ない。
――まさか、今日に限って欠勤?
不安になったが、確かめる方法もない。