Devil's Night
 
 1ブロック先に開いていたパラソルがしぼんだ。


――もう2時だ。


 向かいのサンドイッチ屋さんも店じまいを始めている。


――出て来ない……。


 ため息をつきながら、何度も時計を見る。


 弁当はとっくに売り切れた。本当なら帰る準備をして、迎えのバンを待たなくてはならない。

 けれど、どうしても、今日はこのままここで彼を待ちたかった。
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