Devil's Night
「弁当、もう売り切れ?」
その声にハッとして顔を上げると、眠る前に毎晩のように思い描く顔が、目の前にある。
ほとんど条件反射みたいに目から涙があふれ、ポロポロと頬をすべった。
――私、なんで泣いてるんだろう。
自分でも驚いた。
「どうか……した……の?」
彼が唖然としている。
私はあわてて涙をぬぐいながら、謝った。
「すみません。お弁当、今日はもう全部売れてしまって」
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