Devil's Night
私も心身に疲労を感じていたにも関わらず、眠れない。目を閉じると悪いことばかり想像してしまう。
結局、一睡もできないまま朝を迎えた私は、服だけ着替えて1階に降りた。
が、階下で私に出来ることは何もなく、リビングで夜を明かした地元の警察関係者と夫のためにコーヒーをいれることぐらいしか思いつかない。
五つのコーヒーをトレーに乗せてリビングに運ぶと、テーブルの上には、絵莉花が連れ去られたトイレの現場写真と、駐車場のゴミ箱に捨てられていた遺留品の写真が無造作に並べられている。
写真をよけてマグカップを置いたとき、ふと気付いた。
「ポシェットがない……」