Devil's Night
ちっぽけな良心だけに支えられ、ゴーストアパートの中に入った。
4年ぶりなのに、内部は不思議なほど変わっていない。もっと崩れ、もっと雑草が生い茂っていてもおかしくないのに、まるで時間が止まっているみたいに見える。
脈絡なく、白いチョークで描かれた不気味なサークルが彷彿とした。
――カイに会いたくない。会うのが怖い。
が、4年もの間、全く姿を見せなかったカイが、今夜に限って私を呼んだ理由だけは、聞いておかなければならないような気がする。
怖じけづきそうになる自分を奮い立たせ、おそるおそる2階に上がった。