Devil's Night
 
 翌日、彼は再び私の家を訪れ、正式に交際を申し込んでくれた。昨夜のこともあり、その日は父に追い返されたが、それでも、また来てくれた。


 最初は渋い顔をしていた父も、やがて彼の誠実さに心を開き、私たちの交際を認めてくれるようになった。


『美月が大学を卒業したら、結婚してほしい』


 私の20歳の誕生日にプロポーズされ、天にも昇る気持ちだった。


 その矢先、彼のニューヨーク支社転勤が決まるが、私の大学卒業まで、まだ2年が残っていた。


『省吾さん、お願い。私も連れてって』


 卒業したら迎えに来てくれるという彼に、無理を言って困らせた。
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