Devil's Night
 
「おなかのケガは? 病院にいった?」 


「行かない。もう何ともないから」


――何ともない? ありえない。


 私がそう思ったのが伝わったみたいに、カイは黙ってシャツを引き上げる。


「ウソ……」


――傷がない。


「本当に、もう平気だよ」


 どうでもいい話のような表情で、カイが答える。昨日、割れたガラス瓶が突き刺さっていたのに。マジックでも見せられているような気分だった。


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