Devil's Night
久しぶりにぐっすりと眠れた。
「ママぁ。お庭でグランマと遊んでもいい?」
私が寝ている間に、母に着せてもらったのだろう。朝、トレーナーに着替えた陽人が私の肩を揺すっていた。
――こんなに深く眠ったのは何日ぶりだろう。
けだるい体をベッドに起こし、
「うん。いいよ」
と、私は笑顔で陽人に答えた。
――やはり帰国という選択は正しかったのかも知れない。
そうしみじみと思った。現状は何も変わっていないのに、少しだけ心が軽くなっている。生まれ育った家に両親と一緒にいるだけで。