Devil's Night
 
 久しぶりにぐっすりと眠れた。


「ママぁ。お庭でグランマと遊んでもいい?」


 私が寝ている間に、母に着せてもらったのだろう。朝、トレーナーに着替えた陽人が私の肩を揺すっていた。


――こんなに深く眠ったのは何日ぶりだろう。


 けだるい体をベッドに起こし、
「うん。いいよ」
と、私は笑顔で陽人に答えた。


――やはり帰国という選択は正しかったのかも知れない。


そうしみじみと思った。現状は何も変わっていないのに、少しだけ心が軽くなっている。生まれ育った家に両親と一緒にいるだけで。







< 200 / 359 >

この作品をシェア

pagetop