Devil's Night
「健康な子どもの命を奪うなんて……そんなこと、できるわけない……」
憤りで声が震える。
「じゃあ、目の前でハルが死んでいくのを見ているしかない」
「…………」
一縷の望みをつなぐためにやってきた病院で、奈落の底に突き落とされたような気分だ。
ふいに、カイが目を細めた。
「潔癖な美月。だが、おまえの中にもダークサイドはあるはずだ。あの男が封じ込めてしまった心の闇が」
私の中にあのプラチナブロンドの少女を探すような目で見つめられると、自分の中にあの少女が潜んでいるような気がして怖くなる。