Devil's Night
 
 陽人の呼吸がどんどん荒くなっていくのを目の当たりにして、ただ焦るばかりだった。


「ママ……。ちゃんと……いうこときくから……」


「何? どうしたの?」


 陽人のうわごとみたいな声を必死で聞く。


「ママのいうとおりにするから……。おねがい……。いたいのとって……」


 その言葉に胸がつぶれそうだった。


 駆けこんできた看護師がモニターを一瞥し、どこかへ電話をかけ始める。


「ドクターをお願いします! それから、集中治療室、開いてますか?」
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