Devil's Night
カイが美しく笑った。
「美月に飲ませたふたつ目のタマゴ、最初から壊れてたの、覚えてる?」
確かに最初のものと感触が違った……。あれは何だったんだろう。
「病気の子どもを授けたんだよ。悪魔はああやって交わるんだ」
「え?」
いつの間にかカイの話に引きこまれそうになっている。いや、ありえない。カイは、やっぱり異常だ。
「やめて。絵莉花も陽人も省吾さんの子どもよ!」
感情的に怒鳴ると、カイは静かにうなずいた。
「そうだな。アイツの子どもでもある。それも事実だ。今はね。けど、美月が、ふたりを僕の子どもだと信じてくれれば、いずれそれが真実になる」
理解できなかった。妄想としか思えない。それでも……、今はカイに頼るほかなかった。