Devil's Night
3. カナリア
――あれは幻聴だったのかな……。
日がたつにつれて、そんな気がしてきた。
――実際に猫がしゃべるのを見たわけじゃないし……。
……でも、他に誰もいなかった。
もともとミステリアスな物を好んでいたカイ。そして、彼自身もまた、神秘的な存在。けれど、聞いてしまった会話はどこか不気味で、それ以来、何となくゴーストアパートに足が向かなくなった。