Devil's Night
18. ナイトメア
 
 押し入ってきた人間たちの顔は、どれも怒りに満ちている。私とカイの『遊び』によって、家や財産、中には家族を奪われた者の姿もあった。


「この娘だ!」


 彼らの先頭に立って私をにらみつけている男に見覚えがある。彼こそ、病気がちだった養母が亡くなった途端、破産したとウソをついて、私とカイを捨てた男だ。


 町の有力者である彼はうしろを振り返り、
「神父様。この娘です。5年も養ってやった私の家を燃やして笑っていました。悪魔に取り憑かれたとしか思えない」
と大きな声で言った。


 かつて私がこの男の娘だったことを知る者も多いから、きっと立場が危ういのだろう。
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