Devil's Night
 
 あのとき、本来ならひとりで入るべきサークルの中に、3つの魂と体が取りこまれた。私と、神父様と、私が流した涙を舐めた猫。


――あれからずっと、神父様も輪廻転生を繰り返しているのだろうか……。猫も。


 けれど、あの猫はカイが殺してしまった。またどこかで生まれ変わって生きているのだろうか。


「猫は……ブルーはどうなったの?」


自分の見たものが、夢か現実かわからないまま聞いている。


「お前の魂と離れてしまったリアの記憶か……。あれが嫉妬に狂って、美月のカナリアを殺したのは誤算だった。すぐに同じ姿で生まれ変わってきたけど、もう、リアの記憶を与えるのはやめたよ」


カイは冷たく笑う。記憶をつかさどる者の奢りを漂わせて。


「今のブルーは、ただの死なない猫だ」

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