Devil's Night
 
「何が……あったの……?」


 尋ねる声がかすれる。


「カリフォルニアの山中で女の子の遺体が見つかった」


「ウソ……」


「5歳ぐらいの東洋人の女の子だ。警察の言う特徴が、絵莉花に似てる」


「ウソでしょ……」


ほとんど反射的に涙があふれ出していた。


「まだ、絵莉花と決まったわけじゃない。ロス市警から要請があったから、今から確認に行くだけだ。だからしばらく、そちらからは連絡がとれない」

 
 もう言葉が出なかった。


「俺は絵莉花じゃないと信じてる。美月も信じるんだ」


 夫の声が頭の中で空虚に響く。
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