Devil's Night
――開かない。
あきらめてドアから離れる。
――ここを出たところで、もう私にできることは何もない。……けど、せめて手術室に入るまで、陽人に付き添ってやりたかった。
ソファに座り、まもなくここへ搬送されてくる我が子のことを考える。一刻も早く痛みを取り除いてやって欲しい。その一方で、ドナーとなる子どもも、もうすぐここへ来るのだと考えると、良心の呵責に押しつぶされそうになる。
――ドナーになるのはいずれ若くして命を落とす子ども。
必死でカイの言葉を自分に聞かせた。