Devil's Night
つまり、私は、このカイの契約履行に手を貸してしまったのだ。ドナーとなった子どもの魂は悪魔に捧げられ、永遠の闇をさまよう。
――私はなんて恐ろしいことを……。
全身のふるえが止まらなくなり、反射的に箱のフタを閉め、元の場所に戻す。
契約書を見る前よりさらに息苦しくなったような気がした。それでも私は、ふるえる自分の両腕を抱きしめるようにして、カイを待つ他ない。こうする以外、選択の余地はなかった、と自分自身に言い聞かせながら。けれど……。
――陽人の命をつなぐためとはいえ、悪魔にすがった私を省吾さんは許してくれるだろうか。……言えない。自分のしたことを、絶対にあの人には言えない。