Devil's Night
 
 ドナーの遺品……その言葉にドキリとした。


「カイ……。コーディネーターの人、まだこの病院にいるの?」


「コーディネーター?」


カイが失笑するように聞き返してきた。


「そんな高尚なものじゃない。ただの運び屋だ」


吐き捨てるような言い方。


「カネのために子どもを運んでくるクセに、遺品を弔いたいなんて狂ってる」


 あざけるようなカイの声を聞きながら、私は再び良心の呵責にさいなまれ始めていた。
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