Devil's Night
パッと、目の前が明るくなった。屋上のところどころに、明かりが灯っている。ようやく周囲が真っ暗になっていることに気付き、自分が何時間もここでふるえていたことを知った。
「美月」
明るい声に呼ばれてそちらを見ると、いつからそこに居るのか、カイが立っている。何も知らないような顔をして。
「これ、返すの忘れてた」
彼は白衣のポケットを探り、私にケータイを差し出した。
「手術中に何度も着信があったみたいだ。おまえが愛してるあの男から」
――私がカイの部屋に閉じこめられている間、省吾さんは何度も私に連絡してきたんだ。