Devil's Night
 
――もう嫌だ。


 抱えきれない絶望感と、カイに対する憎悪とに支配された。発作的に、コンクリートの上で底が砕けているビール瓶をつかんでいる。


「カイ……。もう終わりにして」


 私はふらつきながら立ち上がり、ほとんど倒れるようにして、鋭く尖ったガラスをカイの腹部に突き刺していた。肉をえぐるような感触。温かい血が吹き出してくる感触。


――知ってる……。この感触は前にも経験してる。


「だから死ねないんだよ、こんなんじゃ……」


 私に倒れかかりながら、低くうなるような声で囁いたカイは脇腹を押さえ、がっくりと両膝をついた。
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