Devil's Night
22. アイムホーム
気がつくと、白いカーテンの前に立っていた。レースの生地をぎゅっと握りしめて。
「ママ?」
子どもの声にハッとして振り返る。
「ママ、どうしたの?」
絵莉花が魔女の仮装をして、不思議そうに私を見ている。
「絵莉花!」
娘の体を反射的に抱きしめた。
――二度と手放さない。
ひどく長い悪夢からようやく目覚めた気分だ。
「ママ、そんなにきつくハグしちゃ苦しいよ」
そう言われても、すぐには娘を離すことができなかった。