Devil's Night
 
 陽人は生まれつき体が弱く、そのせいもあって手をかけすぎたかも知れない。もうすぐ4歳になるというのに、眠りから覚めたときに私の姿が見えないと、ぐずる。


「ママ……ママ……」


 心細げに泣いている陽人をベッドに起き上がらせ、ぎゅっと抱きしめた。


「ほら。ママはちゃんとハルのそばにいるよ」


 この温かさと柔らかさに私自身も癒されながら、陽人を抱っこして階下のリビングに降りた。


「ママ、降りてきたよ。替わる?」


 絵莉花がソファーに寝そべって、スナック菓子をつまみながら電話をしている。その姿はさながら、ダウンタウンのティーンエイジャーだ。


「ママ。パパが替わってって」


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