Devil's Night
 
 次の日、私は足音を忍ばせてゴーストアパートに入り、ゆっくりと階段を上がって2階の部屋を見渡した。今にも崩れそうな床に寝転んでいるカイ。私はその傍に膝をついた。


 「北浦くん……」


 試すような気持ちで呼んでみる。


「うん?」


 カイは眠そうに薄く目を開け、
「なんだ、美月か……」
そうつぶやいて気持ちよさそうに伸びをすると、また目を閉じた。


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